街を見渡すと、中華まんを売る店であれフルーツを売る店であれ、道端にある多くの小規模店にQRコードが掲出されており、顧客はスマホで読み取るだけで商品代金を支払うことができる。QRコード決済が大通りから路地に至るまで浸透するにつれて、道端にある小さな店の商売も、さらなる繁盛ぶりを示している。人民日報海外版が伝えた。
〇スマホ1台で「衣食住・移動・日用品」に対応
モバイル決済の時代が到来し、人々の「衣食住・移動・日用品」は全て、スマホ1台で事足りるようになってきている。大型ショッピングセンターであれ道端の小さな店であれ、どこでもスマホによる決済が可能だ。
西南財経大学経済学院の韓文竜准教授は、「モバイル決済の強みは、取引に要する時間とコストを削減できることにある。経済全体からみると、モバイル決済は、物流や資本の回転スピードを加速できる」と説明する。
こうしたモバイル決済のなかで、QRコード決済は重要な地位を占めている。中国銀聯が今年1月に発表した「2018年モバイルインターネット決済の安全をめぐる大調査報告」によると、現在、国内で5億7千万人がモバイル決済を利用している。このうちQRコード決済は、現在のところ最もよく使用されているモバイル決済スタイルで、全体の80%以上を占めている。
〇「QRコード決済」で小規模店の経営コスト削減
道端にある小さな店は、都市の路地や曲がり角の奥など至る所にある。中国新経済研究院が今月6日に発表した「小規模店経済報告」によると、QRコード決済の恩恵を受けるこれらの道端の小さな店は、「ネットショップ」に追い付く勢いを示しており、国内需要を牽引する新たな原動力となっている。QRコード決済を導入したこれらの小規模店は、「碼商(コード商店)」と呼ばれている。2019年上半期、道端にある小さな店の9割が「碼商」となり、その後商売が好転。消費頻度は30%増、売上は2.5%増、100元商品の売上は5%増となった。
〇中国経済を後押しするマイクロ「碼商」
デジタル経済の時代に入り、オンライン電子商取引が飛躍的に発展し、小規模実店舗の市場シェアを奪った。しかし、QRコード決済の普及によって、小規模商店が大逆転劇を演じている。
華中科技大学の余豊慧兼任教授は、「モバイル決済は、小規模店の店主にとってデジタル経済時代への切符になり、こうした店舗が経済に及ぼす働きを人々に初めて認識させた。より多くのデジタル経営ツールを全国の小規模店の店主に提供することで、彼らの経営コストを引き下げ、経営活力を高める必要がある」と指摘した。
オンラインであれ実店舗であれ、小規模店は中国経済の発展に重要な役割を果たしている。ある分析によると、民営経済は「五六七八九」の特徴を呈している。つまり、税収の50%以上、GDPの60%以上、新技術革新成果の70%以上、都市部雇用の80%、企業数の90%以上を占め、国内経済に貢献している。小規模店の各店舗は小さすぎて注目されないが、彼らによって中国経済発展の「ネットワーク」が構成されており、民営経済の一部として、経済発展の基盤を固める役割を担っているのだ。
「人民網日本語版」2019年8月21日